「お客様に必要とされる商品をつくって

 感動と充実感をお届けする」

 

車を大切にすることで、人を大切にすることに つながるという想いで

「お客様に必要とされる商品をつくって、感動と充実感をお届けする」

をミッションとして、日々励んでおります。

久世誠二(くぜせいじ)

70年生まれ 大阪府出身。

二級自動車整備士  甲種危険物取扱者  毒物劇物取扱責任者

バブル景気の真っ只中89年、底辺高校を卒業しトヨタ系サブディーラーの整備士として就職。

95年、イギリス車の外資系ディーラー整備士に転職。

年収が3倍以上になりましたが、業績悪化のため02年閉店。

次はドイツ車ディーラーの整備士に転職。

全国トップクラスの繁盛店でしたが、発作的に辞めてしまいました。

準備や作戦もないまま、04年に自動車整備工場を開業。

お客様ゼロ、下請の仕事は断っていましたので、まったく仕事がありません。

しかし、あるとき近所の町工場の社長から「中古の軽トラックを探してほしい」とのご依頼があり、

このことがきっかけで、販売経験のない整備士が中古軽トラック専門のネット通販をはじめることに。

試行錯誤の結果「売り込まなくても売れる、中古軽トラの売れるしくみ」が完成しました。

弱小零細企業の小さな事業が調子よく順調にまわっていましたが・・・

08年のリーマンショックで、タマ不足となり、売るクルマがなくなってしまい撤退。

軽トラ販売の安定した収入がなくなり、不安定な自動車整備業のみとなりました。

しばらくはお客様に紹介していただいた、深夜便のトラック運転手をしながら整備工場を続けました。

あるとき、お客様の一言がきっかけで、自動車整備業から製造小売業に転業することに。

16年に「市販にはない優れた商品をつくって販売する」スグレモン自動車用品をはじめました。

非常識な?中古車の売り方を見て、同業者がバカにして笑った。しかし結果は・・・

●最初の就職はクルマが飛ぶように売れたバブル期でした。

バブル景気の真っ只中89年、底辺高校を卒業し、トヨタ系サブディーラーの整備士として就職しました。

10月には初代セルシオの販売が開始されました。

翌年の90年はクルマが最も売れた最盛期で国内新車販売台数が777万台(17年は523万台)でした。

新車置き場には、いつもパールホワイトのクラウンがいっぱいで、毎日のように車載トラックが新車を搬入し、にぎやかで活気がありました。

朝礼では「売り上げ目標100%達成して当たり前、120%を目指して努力するように」が恒例で、バブルが終わるまでは毎月100%以上達成できていました。

● 年収が3倍以上になりましたが・・・急激な業績悪化のため閉店。

95年、メーカー直営の外資系ディーラー整備士に転職しました。

知名度のあまり高くないイギリスのメーカーでしたが、ゴールデンタイムのテレビCMなど、広告宣伝に力を入れはじめていたこともあり、右肩上がりで業績が伸びていました。

砂漠のロールスロイスと呼ばれた大きな四輪駆動車や丸目で愛嬌のある小さなクルマのメーカーです。

四輪駆動車は明石家さんまさんの愛車だった時期があり、テレビ番組でたけしさんがボコボコにしていました。

毎月、残業100時間が当たり前の今ならブラック企業だと思いますが、国産車と比べると同じ車とは思えない特殊性があり、とても勉強になり、毎日楽しかったです。

年収が大幅に増えて前職の3倍以上になりましたが、2000年ごろからの急激な業績悪化のため、02年に閉店となりました。

●発作的に会社を辞めて独立することに

次は欧州車では親しみのあるメーカーのディーラー整備士に転職しました。

トヨタを抜いて世界販売首位になったドイツのメーカーです。

勤めていた販売店は新車販売台数と整備部門の売り上げが、常に全国ディーラーのトップ3に入る、好立地の繁盛店で、目の回る忙しさでした。

兵庫県西宮市、芦屋市の山の手、高級住宅街にお住いの方や上場企業にお勤めの方が主な顧客でした。

富裕層のお客様がセカンドカーやサードカーとしてご購入されること多く、輸入車の中では故障の少ない、国産車に近い品質のしっかりとしたクルマでした。

忙しい日々でしたが、あるとき突然、自分で整備工場をやってみたいと思うようになりました。

思い立ったら止まらなくなり、04年の2月、突発的に退職届を出して翌月やめてしまいました。

●整備工場をはじめたが仕事がない、修理屋がオートオークションに参加

早速、4月から小さな町工場を借りて整備工場を開業しました。

準備や作戦もなく、お客様ゼロの状態ではじめてしまったので、まったく仕事がありません。

業者からの下請け仕事も断っていましたので、本当に仕事がなく大変困りました。

最初は友人や親戚のクルマを整備にだしてもらう“ご祝儀の仕事”でなんとかなりましたが、新規のお客様を増やさないと継続できません。

ご紹介いただくことで、少しずつ整備のお客様は増えましたが、思うように売上は伸びません。

あるとき、近所の鉄工所の社長から「軽トラ、30万くらいで探してや」とのご依頼がありました。

軽トラの中古くらい、すぐに見つかると思い、軽い気持ちで注文をお受けしました。

知り合いの業者や営業マンに予算を伝え探してもらいましたが、良い返事はありませんでした。

中古軽トラックはタマ数が少なく、業者間のセリ市場でも比較的、割高で取引されているとのことでした。

お客様を待たせるのも申し訳ないので、自社でオートオークションの会員になって探しに行くことにしました。

はじめて参加したセリ市場でタイミングよく、予算に合う軽トラックを落札。

注文から一か月以上かかりましたが無事、納車でき、助かったと喜んでいただきました。

 ●販売経験のない、口下手で不器用な整備士が中古車を売ることに

今回のことで、今まで気にも留めなかった、中古の軽トラックが業者間で割高で取引されていることと、総額30万円で売れることがわかりました。

中古軽トラックの需要はありそうですが、供給側の中古車販売店では扱っていることがあまりなく、競合が少ないようなので、試しに仕入れて売ることにしました。

最初の3か月間は試行錯誤でした。

まず売る方法ですが、うちの整備工場は町工場が密集する奥地で店頭販売には適しません。

そこで、インターネット(自社サイトとヤフオク)に広告を出し、お客様に来ていただくか、ご遠方の場合は宅配(陸送)でお届けすることにしました。

このころはまだスマートフォンもユーチューブもなく、今では巨人アマゾンもあまり知られていませんでした。

仕入れ条件として、総額30万までで販売して採算が合うこと、「多少の凹みやキズがあってもかまわないが、錆や腐食がなく、故障のないもの」としました。

とりあえず、軽自動車の各メーカー1台ずつ、5車種の計5台をセリ市場で仕入れて、すぐに広告を出しました。

1ヶ月経っても1台も売れず、問い合わせや直接見に来た方はおられましたが、値引きのお話ばかりです。

ヤフオクで取引されている、個人売買の相場を目安に価格交渉されているようでした。

その値段で販売すると、赤字になります。

 ●行き詰まってしまったので、お客様に聞くことにしました。

そこで、今度は問い合わせがあったときに軽トラックの具体的な用途や買うときの心配ごとなど、詳しくお聞きすることにしました。

初対面の方でも、使い道や本音を詳しくお教えいただけることがあり、有益な情報を得ることができました。

現状のうちの広告は悪徳業者と同じ信用のない、怪しいクルマ屋に見えるようです。

一般的に中古車はご購入契約後に整備と車検をしますが、キッチリ整備してくれるのか?不安に思われるようです。

また、車両本体価格とは別に諸費用や整備費用などかかり、総額がわかりにくく不信感があるとのことでした。

あと、商用車の軽トラックであっても趣味性や希少性があり、特にホンダのアクティとスバルのサンバーは少々高くてもクルマ好きのこだわる方は、ほしい車種のようです。

理由として、一般的にトラックはエンジンが座席に下についていますが、ホンダとスバルは荷台の後ろについています。

エンジンが駆動輪の重しとなり、雨降りや雪道でもタイヤが空転しにくく、安定感があるそうです。

レーシングカーやスポーツカーと同じレイアウトのミッドシップ(MR)のホンダやリヤエンジン・リヤドライブ(RR)のスバルなので、独自の乗り味があります。

※スバルサンバーは6代目(12年)までRR式でしたが、7代目からダイハツのОEM供給でFR式になりました。

 ●うちの売り方を見て、同業者がバカにして笑った。しかし結果は・・・

この情報に基づき、扱う車種をホンダのアクティとスバルのサンバーをメインとしました。

ご購入検討中のお客様に対する不安を解消するため、今まで簡単な目視点検だけだった内容から、キッチリ整備と、オイル類や必要な消耗品の交換を広告を出す前にすべて終わらせることにしました。

車検が切れている場合は車検も通しました。

掃除も徹底し、ボディはピカピカに磨いて、室内はシートなど外せるものは外してキレイに洗いました。

広告も改善し、1台につき3枚だった画像を20枚程度に増やしました。

普段は見えない下回りや足回りをリフトで持ち上げた状態で撮影し、ボディのキズ凹み箇所も隠さず、画像と文章で表示しました。

「車体や下回りに錆や腐食がなく、基礎がしっかりしていること」「キッチリ整備で長持ち車検付き、掃除済みでピカピカ」「登録(届出または名義変更)するだけで、即日お使いいただけること」を広告で重点的にお伝えしました。

ネット販売の中では一番高い、販売価格にさせていただきましたが、大変お買い得な内容です。

この広告や実際にうちの工場を見た同業者がバカにして笑っていました。

「売れる前に整備して、車検まで受けとる、売れんかったらどうするんや?アホやな」

「中古車の売り方を知らん、修理屋がバカなことしとる」

「高い値段つけやがって、ネットで売れるはずないやろ」など・・・

当時の店頭販売やネット販売では非常識な売り方のようでしたが、お客様の声を反映しただけのことです。

結果はすぐに出ました。

3か月間まったく売れなかった5台の軽トラックが大幅に値上げしたにもかかわらず、1か月間で完売しました。

●売れるようになったが、続けていくためには粗利を増やす必要がある。

手間や経費をかけて付加価値をつけても、ネット販売では総額30万程度が限界のようでした。

それ以上高くなるとお客様のお買い得感も低くなるようです。

商品の品質は格段に良くなりましたが、商売として利幅に少々問題があります。

もう少し粗利額がないと、続けていくことがむずかしいので改善策を必死で考えました。

商品の品質をさらに向上し、仕入れ値を大幅に下げる良い方法を思いつきました。

簡単なことでした。

本業である、自動車整備業の強みを活かすだけです。

今までは「多少の凹みやキズがあってもかまわないが、錆や腐食がなく、故障のないもの」を仕入れていましたが、一つだけ条件を変更するこにしました。

変更点は「故障のないもの」から、「故障個所があるため、中古車業者が敬遠するものを破格値で仕入れること」にしました。

ガラスにひび割れがある、エアコンが効かない、異音がするなど、問題のある軽トラを選んで落札します。

大修理が必要で高額な部品代がかかる可能性がある場合は見送ります。

あと、車体の骨格部分に変形や修復歴があるもの、走行距離に改ざんがある場合も仕入れません。

オートオークションはネットの画像だけを見て落札することもできますが、心配なので必ずセリ会場まで出向いて実車を十分に確認してから、買うか見送るかの判断をしていました。

※ここで手を抜くとあとで困ることになります。

 

故障個所の修理は必ず実施する中古車整備と同時に作業できることもあり、本業である整備工場の強みを十二分に活かすことができます。

 ●タマ数の少ない軽トラの仕入れをなんとかしないと

お客様の評判も良さそうで、粗利の確保もなんとかなりそうなので、あとは故障している軽トラを安定的に仕入れるだけです。

オートオークションは一つの会場でしか買えなかったので、複数の会場でも買えるよう入会手続きをしました。

さらに仕入れ先を増やす目的で解体屋さん(自動車解体業)に行ってみることにしました。

地元の大阪や京都の八幡を数日間かけて回りました。

解体屋さんにも軽トラックは少なく、運よく見つけても程度が悪すぎるもの、良さそうなものがあっても、そもそも書類がないようなので、車検受けや登録(届出)することができず商品になりません。

ただ、中古部品を優先して分けていただける、良いお話はありました。

一部の解体業者には珍しく、何台もの軽トラックが置いてありました。

新車販売店と契約していて、定期的に軽トラの廃車が入ってくるとの事です。

軽トラは中古部品の希少性も高く、中古部品業者が頻繁に買い付けに来るようです。

部品がすぐに外されて売れてしまうので、事前に軽トラの入庫予定日時を教えてもらえることになりました。

これで「弱小零細企業の小さな事業のしくみ」が一応ですが、形になりました。

 ●やっと、商売らしくなってきました。

仕入れ先を増やしたことで、故障している軽トラを月に4~5台程度ですが、安定して仕入れることできるようになりました。

整備業をしながらなので、忙しくなりました。

中古部品の確保は廃車入庫日に解体屋さんに行き、買取り部品が多い時は軽トラ荷台に満載で帰りました。

いつでも使えるように中古部品の検品と在庫管理をキッチリすることにしました。

インターネットに広告を出して、売れるまでの期間は1~2週間です。

最短では朝一、広告を出した直後ネット上で売れ、お昼過ぎに東大阪市からお客様がお支払いに来られました。

最長で売れるまで1か月半かかったこともありましたが、値引きしたことや損切(そんぎり)したことは一度もありません。

試しに輸入車や軽の乗用車をネット販売したこともありましたが、まったくダメで売れませんでした。

長期在庫になりそうなので、知り合いの業者に買い取ってもらいました。

やはり軽トラとの相性が一番いいようです。

すぐに売れて、なによりもお客様に喜んでいだだけるので、やりがいがあります。

 ● なぜか地元や近県には売れない。遠方のお客様に宅配でお届けがメインに

特にトラブルもなく、月4~5台程度ですが安定して売れます。

当初、地元や近県の町工場や商店の方が対象で、遠方にはあまり売れないではと思っていました。

予想に反して、ご購入いただいたお客様の8割はご遠方の方でした。

東北、関東、中部、九州のお客様が8割で近畿は2割弱です。

ご遠方の場合は送料(陸送費)が別途2~3万程度かかりますが、それでもご購入されます。

※送料は個人向け定価ではなく、業者扱いの割安価格を提示していました。

軽トラックのダンプカーが売れたときは、福岡から建設業の社長さんが新幹線で大阪まで引き取りに来られたことがありましたが、ご遠方の場合直接お会いすることは、まずありません。

お客様は実車をご覧になられることなく、広告の情報だけでご購入されることになります。

実物をご覧になられてクレームや返品のお申し出はないか?など、最初は不安で仕方ありませんでした。

そこで、軽トラが到着した翌日に直接、電話でお客様にお聞きすることにしました。

「ボディはピカピカで室内もキレイに掃除してあり、エンジンも静かで調子が良い」とのお声が大半で、本当にありがたいことだと思いました。

農家、バイク屋さん、電機屋さん、氷屋さん、リサイクル店、趣味のモトクロスバイクのトランスポーター用、家の片付け用など、さまざまなご職業や用途でのご購入でした。

ただ、広告やメールでの説明不足で、うまく伝わっていない内容がありましたので、改善することにしました。

●順調でしたが、リーマンショックでタマ不足に

4年近く続いた中古軽トラックのネット販売でしたが、08年のリーマンショックから、安定した仕入れがむずかしくなりました。

新車が売れなくなると、下取りのクルマもなくなるので、中古車流通に回ってきません。

しばらく様子をみましたが、続けることができないようです。

時間をかけてタマを探してもボウズ(ゼロ台)、とても残念ですが、やめることにしました。

この軽トラ販売はお客様と当社およびオークション会場の3者が良しとなる商売でした。

お客様はキッチリ整備で消耗品も交換済み、長持ちする軽トラを、お買い得価格でご購入いただけます。

当社は故障している軽トラを安く仕入れ、整備業の強みを活かし直して販売するので、1台あたりの粗利額を増やすことができます。

オークション会場は売れにくい故障車が売れる(落札される)ようになります。

軽トラ販売と整備業の比率5:5だったのを、整備業をほぼ10にすることにしました。

中古車販売のほうはお客様から中古車を探してほしいとのご依頼があったときに仕入れる、在庫を持たない注文販売のみにしました。

●しんどくなってきました。バイトで深夜便のトラック運転手をすることに

今までは順調な軽トラ販売のおかげで、毎月、安定した一定の収入がありましたが、なくなりました。

これからは不安定な臨時収入だけになります。

大きな修理や中古車の注文販売のご依頼があったときは、まとまった収入を得ることができますが、普段の小さな修理やたまに入ってくる車検整備だけでは続けていくことが困難です。

忙しく安定しているときに先の売り上げを考えて、手を打っていなかったのは自分の責任です。

とりあえず、お客様に紹介していただいた深夜便のトラック配送をやりながら整備工場を続けました。

深夜便のトラックというとキツそうな感じがしますが、拍子抜けするラクな仕事でした。
労働時間が短く、新聞の束を2tトラックで印刷工場から新聞販売店まで運ぶ仕事です。

しばらくはこのバイトをやることになりました。

 ●よその整備工場との違いはなにか・・・クルマをキレイにすること

うちは普通の整備工場でしたが、欧州車のお客様やクルマ好きな方の比率が高く、

入庫したお車は必ずキレイに掃除をして、納車させていただいておりました。

代車もいつもピカピカにしていました。

 

特に車検受けや中古車の場合は無償でボディをポリッシャーで塗装に負担をかけないようにピカピカに磨いて、室内や窓ガラスも掃除仕上げをしていました。

高級車やこだわるお客様からコーティングのご依頼があったときは、腕のいい磨き屋さん(カーディティーリング業者)にお願いしていました。

その磨き屋さんに数日間ですが弟子入りして、プロの施工方法を一通り教えてもらい簡単なコーティング施工はできるようになりました。

 ●お客様の一言がムラにならないコーティング剤をつくるきっかとなりました。

車検のご依頼をいただいた、お客様の一言が自社商品の「ムラにならないコーティング剤」を作るきっかけとなりました。

そして、整備工場から転業して「市販にはない優れた商品をつくって販売するスグレモン自動車用品」をはじめるきっかけにもなりました。

ご自身のお車をいつも綺麗に、大切される、お客様から「おたくさんはいつもクルマを綺麗にしたはる、買いに行ってもええワックスないわ、ええのないでっか?」との、お申し出がありました。

そのお客様は黒塗り高級車が仕事道具、ハイヤー運転手さんをされているとの事です。

詳しく話を伺うと、黒色センチュリーのお手入れでお困りのようです。

仕事終わりに車庫でワックス仕上げをして翌朝、役員をお迎えにあがったとき、

太陽の下でボディを見ると油が浮いたようなムラが所々に残っています。

市販のワックスやコーティング剤を10数種類、自腹で買って試されたそうです。

程度の差はあれ、どの商品もムラが残ってしまい、どうしても気になります。

そこで、お預かりしたお車は隅々までキレイに掃除をして、納車させていただくのが方針の私、久世にお聞きになったのだと思います。

本当に申し訳ないのですが、的確な返答ができませんでした。

整備後のお車は塗装に負担をかけずボディの艶出しができるプロ用の道具を使い、プロのやり方で効率よくピカピカにしていました。

しかし、お客様ご自身での日頃のお手入れ方法や市販のワックスやコーティング剤について、まったく無知でした。

翌週、会社の車庫までお伺いして、センチュリーの塗装を見せていただくことになりました。

20万キロ以上の走行距離でしたが、低走行の極上車にしか見えない、とても状態の良いお車でした。

塗装が荒れている状態でワックスやコーティングを塗っても、ムラになりやすく、効果が半減してしまいます。

また、拭き取り用のクロスが汚れている場合や品質が良くないと、ムラの原因となります。

ご使用のクロスにも、問題はありませんでした。

お使いになられている、市販品のコーティング剤がムラの原因になっているようです。

翌日、普段行くことのない大手カー用品店に足を運ぶと、昔は主流だったワックスは控えめで、液体のコーティング剤が陳列棚を占領しているではありませんか!?

早速、数種類のコーティング剤を買って試してみると、粉がでなくていいのですが、昔のワックス感覚で拭き取ると、油のようなムラが残り、なかなか取れません。

お客様のおっしゃっていた、「ムラになる」の意味がやっとわかりました。

市販品以外に業務用でも試してみましたが、お客様と私が納得できるコーティング剤は残念ながら、ありませんでした。

「ないなら、自分でつくるしかない」と自主企画をはじめました。

しかし、当初はなかなか思うように進みませんでした。

実際にコーティング剤をつくっている、中小メーカーにこちらの要望を伝え、試作品の依頼をしましたが、どの会社もまったく取り合ってくれません。

方向性を変え、コーティング剤の元となる原材料をつくっている大手化学メーカーに問い合わせたところ、非常に丁寧な対応で、サンプルまで送っていただきました。

ここで大事な気づきがありました。

自分に化学の基礎知識がないので、メーカー技術者の説明が理解できないことです。

私があまりにも素人すぎるため、コーティング剤をつくっているメーカーが相手にしなかったのかも知れません。

そこで、化学基礎の本や危険物取扱者の参考書などで勉強しました。

試しに危険物の試験を受けたところ、合格することもできました。

ここから本当の「ないなら、自分でつくる」自主企画がはじまりました。

再度、こちらの要望どおりの試作品をつくってくれる中小メーカーを探しました。

今度は3社目で技術力の高い、職人気質なメーカーが協力してくれることになりました。

実車テストなどを繰り返しながら、数回の改善を行い、はじめてから3年と3か月かかってしまいましたが、ほぼ納得できるコーティング剤が完成しました。